さいわいなるかな
淀んでいた空気が取り払われた
先達によって踏み固められた一本の道
砂塵に足をとられそうになりながらも
荷を背負い陽に顔を焼いて歩いていく
宵闇にこだまするのは梟のこえ
頂いた野菜を煮え立つなべへ投げ込み
焚き火に照らされる夫の鮮明な輪郭に
手を添え目を閉じてきょうを感謝する
たらちね
泥舟を浮かべてとつくにへ行こう
かいなで凪を切り ただ疾く疾く
寄りかかる帆先から波頭に溶けて
赤茶けた故郷のつちよ
それを耕す良き蚯蚓よ
きょうだいは私の胸にすがりゆびを差す
見えるか あれがとつくにだ
見えるぞ あれはサイレンのこえ
われわれの舟は泥にかえり泥にしぬのだろう
ははよ 聞きたまえ
あなたの乳房の片割れはそこにあった
あかり
おばあちゃんのしゃぼん
ぷかり ぷかり ぴかり
なないろに ひかって はじけた
わすれてしまっても いいんだよ
わたしが みんなおぼえてる
最近の流行
角を生やした子供
嬉しそうに跳ねた
ねえ誰かが噂してるよ
信号機のうえで
きちんと整列してみたり
富士山の頂上で
君が代を斉唱してみたり
君何人いるのかな
生まれた時から相棒になるって決まっていたんだ
片目閉じて悪戯そうに笑っても分かってるんだよ
ほら、ほら、そんな小さなからだでどこ行くの
きょとんとした顔でぼくが死ぬまでって答えたよ

