*2004*

あらまほし

手をのばす。灼ける。ただれる。
私はそれをかたわらで見ている。
息は白く、息は白く。

雪が降る。

手淫。男茎は萎び女陰は枯れる。
いつくしい夢を見た朝のように。
血は赤く、血は赤く。

子が下る。

不確かな印画紙をもて。
己の柔らかな掌をみろ。
道々行き行きて交差した阿弥陀を信ぜよ。

日常

サイレンが鳴っている。
遠くで煙があがり、何かが焼ける。
救急車。親指は隠さない。
音を切り捨てて、着替えを探す。
風呂に入ろう。

はな

部屋のすみに咲く小さなはな
その胸に舞いおりる歓喜の歌

つながる。

夕闇のむこうに消えた星くず

つながる。

今は言えない子供の頃のゆめ
海にのまれてたゆたうあぶく

手を振ったら返してくれた知らないおじさん

ありがとう。

ありがとう。

ことば

生を楽しむには世界は広すぎ
舌で味わうには死が熱すぎる

寂と己

山、分け入って
頂きで木霊かえす
明かり消えた家々
木霊人形にかえす
飯食うかと尋ねれば
飯食うかとこたえ
さて寝るかと尋ねれば
さて寝るかとこたえる
言葉はふえども
明かりはつかず
三度、山分け入って
頂きで木霊かえす

toppage